桜花 ブック
□一
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「まっ…待ってよ兄さんっ!」
家から寺子屋までの細い桜並木道
先に進む背中を追いかけ走ると足元を
桜が舞った
「晋助走ると危ないぞ」
振り返り優しく微笑む大好きな兄の腕に
抱き付いた
「ねぇ兄さん兄さん!今日は先生なにを教えてくれるのかな?」
「そうだなー…」
ふっと上を見上げ桜の木々の間から降り注ぐ木漏れ日に目を細め口端を上げた
「きっと今日はお花見かな」
兄の柔らかい優しい笑顔
(先生おはようございます。今日は…)
(お花見ですよ)
(ですよねー)
to be continued
20091207