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出羽国米沢城 初春
「…っ…は…はうえ…」
「貴様など妾の子ではない…
妾の子は竺丸だけじゃ!」
掴まれた肩が軋み食い込む母親の爪
強く押されてグラリと体が後ろに倒れる
見開かれた左目が最後に見たのは雪降る米沢の灰色の空
「さてどうしたモンか…」
目の前でうつ伏せに倒れている時代錯誤な格好の子ども
かなりの時間此処に倒れていたのだろう青白い顔をし子ども特有の柔らかそうな黒髪や上等な袴に積もる白い雪
「………フゥー…」
どうしたものかと煙草を深く吸い紫煙を灰色の空へ吐き出した
手に持っていた煙草を口にくわえ、子どもの隣にヤンキー座りをして声をかける
「おーいガキ、死んでたら返事しやがれ」
頭の雪をはらってやり、何回か声をかけると小さく唸るような声が聞こえた
少し安心したがこれ以上はやばいなと舌打ちをして立ち上がると煙草を踏み消し、頭を打っているかもしれないので出来るだけ揺らさずに子どもの体をおぶった
「……はぁ…寒ィな」
空を見上げれば相変わらずの雪雲でチラチラと降ってくる雪が頬に当たり溶けて流れた
明日は晴れっかなー…
薪割りと客室の掃除と買い物とー
あぁ…仕事だらけだ
I hope to be sunny tomorrow!
20090501