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「ゔー…」

「唸るな」

「ゔー…」

「だから唸るなって」

「ゔー…」

「あーはいはい…」



歯医者に着いた二人は待合室で
呼ばれるのを待つ
他の子どもが呼ばれるたびにビクビクしている梵天丸は唸る事をやめない
その目にはまた涙が滲んでいた

どうやら歯医者の匂いと音が苦手になったらしい








「中までは着いて行けねェからな?」

「えーっ!」

「狭いんだって個室だし」

「えーやだよ春!着いて来てよ!」



腕にしがみついてくる梵天丸をそのままに備え付けの新聞に目を走らせる
耳元で不平不満を口にする梵天丸は必死だ








「じゃあ次の方ー。高平梵天丸くーん」

「ヒッ!」

「おっ呼ばれた呼ばれた。じゃ行って来い」

「いやだよ!帰ろうよお!」

「あ゙ぁもうしゃーねーなァ!」





梵天丸を腕から剥がし首根っこを掴むと名前を呼ぶ女の人に近づきその手に渡した



「すいません、コイツお願いします」

「あ、梵天丸くんですねー。
お預かりしまーす」

「っう…うらぎりものおおぉおっ!」

「いってらー」



お姉さんに抱き抱えられ奥に消えていく梵天丸に優しくてを振る春
梵天丸の叫び声に笑いそうになるのを堪えていると急にピタリと声がやまった

それから30分ほど経った時ギギッと診察室に行く為の扉が開いた
ヒョコッと顔を出したのはスッキリした顔の梵天丸
スッキリした所かどこか嬉しそうだ






「お帰り」

「ただいま!」







































会計を終わらせ帰路につく
嬉しげに頬をぷにぷに押さえて遊ぶ梵天丸と手を繋ぎ夕日が落ちかけた町をゆっくり歩いた



「バイクで来れば良かったかなァ」

「家まで遠いね」

「まァたまには良いじゃねーか。で何がそんなに嬉しいんだ?」

「ほっぺがふにふにする」

「…あー麻酔?」

「痛くなくなるやつ!」

「麻酔だな」




麻酔のせいで変な感触がすると、楽しそうにはしゃぐ梵天丸の頭を撫でる
頑張っただろと威張るのは無視して頭の中では晩御飯何を作ろうかと考えていた

出来るだけ治したばかりの歯に負担をかけないようなもの









「ねえ春」

「ん?」

「明日には春のおかし食べられる?」

「明日には食えるようになるさ」

「良かった!」

「でも今日からちゃんと歯磨きしなきゃおやつ抜きにするからな」

「えーっ!」






明日のおやつの為に

歯磨き頑張れー



I hope to be sunny tomorrow!

20090702






管理人は18歳にもなって乳歯が
4本残ってます(実話)

しかも実姉に顔面蹴られて
歯が抜けた事があります(実話)

皆さん歯は大事にしましょうね



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