短編
□俺ん家の母さん
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弁当の蓋をゆっくりと閉めしばらくその状態でいた
『おい!祐喜!早くバスケしに行くで!えっ!お前弁当ぐらいはよ食えや!』
結構仲のいい俺の友達、智之
昼休みには体育館が自由に使える
早く行かないと他の奴らに場所をとられてしまう
『智之…俺、今日帰るわ…』
いきなりの俺の宣言
『は?』
それに固まる智之だが
『智之ー!早くー!』
バスケをする仲間の一人に呼ばれ少し焦りをだした
『な、何でやねんっ。どっかしんどいんか?せやったら先に保健室行かなあかん!』
智之は人一倍心配性だ
こう言うときはマジで困る
『別に熱なんかねぇよ、しんどいわけじゃねぇし…それに』
自分としてはうれしいのだが
『なっきー!俺ちょっと用事出来たからごめんやけど先行って始めといてー!』
『マジかよー!おー!わかったーっ!』
暴走し出すと止まらない
ブンブンと夏樹という奴に
ぅあーりがとーっ
とか言いながら激しく手を振っている
『おい…聞けよ…』