過ぎ行く日々の中で

 僕たちは

 どれだけの人たちと出逢い

 どれだけの人たちと別れを告げるのだろう

 繰り返す日々は

 意識をしなければあっという間に過ぎていってしまう

 幾多もの出逢いと別れ

 その中で

 今、貴女と共にいる奇跡

 それはとても貴重なものだと思うんだよ










捧げよう、何もかも
















 時に言葉とは厄介なもので、必要以上にそれを伝えれば薄っぺらなものに感じてしまうことがある。

 でも、なければ不安とでもいうのかな?

 不器用な彼女は甘えることは得意でも、僕に愛の言葉を囁くなんてことはまずない。

 言葉がなくても気持ちはしっかり伝わってるんだけどね。

 それでも、僕はワガママなのかな?

 抱擁の温もりだけじゃなく、キミの口から聞いてみたいっていうのは。



「ねぇ、いつになったら愛を囁いてくれるの?」



 カーブを利かせて回りくどく言ったところで彼女には伝わりっこない。

 じゃあ直球でいくしかないでしょ。

 単刀直入に問う僕に、隣に腰掛けていたキミが驚いたような顔をして僕を見上げてきた。



「僕は毎日のように愛を囁いているのにね」



 それでも毎日同じことを続ければ、いい加減に彼女にも免疫が出来てきたのか、初めての頃にくらべれば顔を真っ赤にすることも少なくなってきた。

 だからといって、伝えるのをやめるなんてことは僕には出来ないんだけど。

 彼女が伝えてくれない分、僕が伝えすぎるっていうのもあるかもしれないけどさ。



「んぅ…」



 困ったように視線を逸らせる彼女。

 唇はほんの少しだけ尖ってしまっている。



「僕のこと、嫌い?」



 押してダメなら引いてみろ。

 彼女の気持ちは解っているから、それでも笑顔は保てている。



「そんなことっ、ないっ」



 僕の言葉に慌てたように首を振って否定する彼女が愛しくて仕方ない。



「じゃあ、聞かせて欲しいな」



 無理に言わせる言葉でないのは解っているんだけど。

 その声で僕に伝えて欲しい。

 彼女の頬に手を添え、その視線を僕に向けさせる。



「───えぅ…」



 真っ赤になって目をうるうるさせるキミに、今すぐキスをしたい衝動に駆られるけれど、それをグッと我慢して優しく微笑んでやった。

 静かな空間に聞こえるのは、お互いの息遣い。



「あ、あの…ね」



 彼女が伝えてくれるであろう言葉を一字一句聞き逃さない為に、僕は声を出さないようにする。



「───好き…」



 小さな声で紡ぎ出される音は微かに震えていたけれど。



「PastでもFutureでもなくって…」



 今というこの時間ですら大切にしてくれる貴方が好き。

 恥ずかしさのあまりに目を合わせることが出来ず、抱きついた彼女が僕の耳元で囁いた言葉。



「クスッ。最高のPresentだね」



 捧げよう、何もかも。

 今もこれからもずっと共に生きていく貴女に。

 Past(過去)でもFuture(未来)でもなくPresent(現在)

 愛しいキミからの最高のプレゼント。








20100308



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