Type-Zero
□第二話:遭遇
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叶と拓慧は本部を飛び出し大通りを抜けて、猫の居る南門まであと少しというところまできていた。拓慧は、相方・黒烏と連絡を取り合いながら進む。
「よく聞こえねぇ・・・」
『ダカラ・・・ミナミモンノ・・・ガガガッ・・ハオワッタミタイデス』
拓慧が走っているせいかインカムの電波は悪く、言葉がうまく聞き取れない。そのせいもあって、拓慧は苛々していた。
「聞こえないの?」
「あぁ・・・ったく・・・ちゃんとしたインカムを作れっての!」
『タクエサマ・・・?』
「あっわりぃわりぃ・・・で?」
『ミナミモンノヒナンハ・・リョウシマシタ』
「はいはい、了解。もう少しだけ、猫を見張っていてくれるか?」
『リョウカイ・・・・・ブツン・・』
拓慧は切られたインカムを頭から外し、腰の専用ポーチに突っ込んだ。
南門が近づいてきたのもあり、物陰に身を潜めながら進んでいく。
「猫って・・・強いのかな?」