Type-Zero

□第三話:すれ違う思い
1ページ/17ページ

「ここは?」

『オレタチガセワニナッテイルシセツ…イヤ…ソシキダ』

「組織?」

一同は、岩場の小さな洞穴に設置された金庫のような扉の前に辿り着いた。
拓慧は扉の横にある小さな箱のようなものにカードキーを通して、暗証番号を入力した。すると、扉は音も無くゆっくりと開き、中には地下へと通じる階段がある。

「ぼさっとするな。そう長い時間開けていられないんだ。」

物珍しそうに扉を見つめている猫を急かす。
「ごめん」と一言言うと、先を行く黒烏の後を着いて行く。その後ろに拓慧が続く。

コッコッ…
狭い通路に足音が響く。岩を人工的に刳り貫いた薄暗い通路は肌寒く、少し寂しげな雰囲気を放っている。

「ねぇ…まだぁ?」

同じ景色に飽きたのか、猫は退屈そうに呟いた。
だが、黒烏も拓慧も無言で歩き続けている。

「ねぇってば…」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ