AAA〜トリプルA〜
□第三話:塔に住まう語り部と…
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不安だけが胸を支配していた。アッシュ様の時はこんなに不安になんてならなかったのに・・・
私は扉を見つめる。何か、忘れている気がしてならない・・・何か・・・
それが不安の原因なのだろうか?それとも、ただ単に麻木が頼りないだけなのだろうか?
スライムの集団もまともに倒せない彼にドラゴン退治はいくらなんでも早すぎる。
あの人の言いつけだから破ったら・・・・ダメダメ、悪いこと考えていたらきりがない。
余計なことは考えないようにしなくては。
私はそっと自分の腰に手を当てた。
「ん?」
何かが手に当たったのを感じ、ソレが何か確認する。
「あ・・・」
それは、銀製の魔法剣だった・・・そう、たしかあの時・・・アッシュ様の時もこれを渡して……しまった!?
「ごめんね、麻木・・・大事なもの・・・渡してなかったわ」