AAA〜トリプルA〜
□第五話:僕と焔とお姉様
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焔は、セレスお姉様に視線を向けると、セレスお姉様が頷く。
そして、僕に視線を合わせる事はなくデレデレしている。
マザコンかこいつ…
「道中は、焔が案内してくれるでしょう。私からは、この宝珠を授けます。」
セレスお姉様は、エメラルド色の石のはまった腕輪を出してきた。
特に、宝珠がはまっている意外には装飾は見当たらない。僕はその腕輪をはめる。
見た目の割にはとても軽い。つけているもの忘れるくらいだ。
僕が腕輪を眺めていると、焔に「いくぞ」とせかされた。
「この国から、エルフ族の村まではそう遠くもありませんので、すぐに旅立ってしまったほうが良いのかもしれません。」
「エルフ族は気が短いからな…」
「私のほうから、長老様へ伝達をしておきますので、そのままお宅へ向かってください。」
「分かった」と僕と焔が同時に答える。
家から外に出ると、先ほどと変わりない暖かい日差しが僕たちを包んだ。
焔は元気良く、飛び出した。
僕は、セレスお姉様に一礼するとその場を後にしようとした。
「麻木様!!」
後ろから、セレスお姉様が呼ぶ。僕はその声のするほうへ体を向けた。
「なんですか?」