AAA〜トリプルA〜
□第五話:僕と焔とお姉様
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「さて、気を取り直して…」
セレスお姉様はそういうと、姿勢を整え僕のほうへ体を向けた。
僕もつられて姿勢を正した。
「私は、ドラグニア=セレスと申します。このドラグニア・ファーマルを収める者です。」
そう言うと頭を下げるセレスお姉様に、僕も頭を下げた。
「麻木利光様、先ほどは、わが子・焔と左近の無礼を働いてしまったみたいで、申し訳ございません。」
下げた頭をさらに下げるセレスお姉様に僕は「大丈夫ですよ」と告げる。
…ん?今『わが子』って…?言った気が…
「えぇぇぇぇぇえぇぇえぇぇぇっ!!!!」
あまりにも驚きすぎて椅子から立ち上がり大声を出した。
この目の前にいらっしゃる絶世の美女いやっ女神・セレスお姉様が、こ…こここっ子持ちだとぉっ!!!
信じられない!!いや、だって、見た目は僕と少ししか変わらないのに、明らか10歳以上の子供が居るだなんてっ!!いゃっやましいこと考えていなかったわけでもないけれど、いゃっそういう意味でもないのだけれどっ!!!まじかぁぁぁあぁっ!!ショックがでかすぎるっ!!!
おそらく、ほんの0.1秒ぐらいの思考だったのだろう、僕が叫んだのとほぼ同時に、扉を蹴破り赤い弾丸が僕のみぞおちにヒットした。
弾丸と言っても、弾丸のごとく飛んできた焔なのだが…
もちろん、僕がそれを支えられるわけでもなく、僕の体は軽々と壁まで飛ばされる。
叩きつけられたその背中にはなんともいえない痛みが走った。
「おぃ!!さっきから黙って聞いてみればっ!!貴様の脳内は野蛮で変態な思考しかないのかっ!!!」
立ち上がり僕の頭を鷲掴みにする焔。しかし、セレスお姉様がそれを止める。
「焔!!やめなさい!!乱暴はいけませんよ!!」
「でもっ!こいつはセレス様でいやらしいこと考えていたんだぞ!!」
「成敗してやるっ!」と僕の髪の毛を引っ張り出した焔をたった一言でセレスお姉様が止めた。