AAA〜トリプルA〜

□第五話:僕と焔とお姉様
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耳に痛い大きな声。間違いない焔だ。
僕がこの風景に見とれている間、焔の声をシャットアウトしてしまっていたらしい。

僕は何事もなかったかのように「なに?」と視線を焔のほうへ向けた。

「まぁまぁ、焔も相変わらずですこと…」
「しかし、セレス様っ!!」
「いいのですよ。」

焔の隣に、めちゃくちゃきれいなお姉様が居た。
綺麗に腰まで伸びた輝く金色の髪。少したれ目なその瞳は、髪に負けないくらいに輝く金色。耳は左近や焔と同じようにとがっている。
セレス様と呼ばれるお姉様は、僕のほうへ一歩歩み寄ると、下を見下ろした。

「今日もとても平和ですこと。この世界、気に入っていただけましたか?」

僕に話しかけてきているのは間違いなかった。今まで生きてきた中で、女性という生き物に縁がなく、耐性がない僕は、どうしていいか分からず「うん。」と普通に返してしまった。

もちろんそれを焔が聞き逃すはずがない。

「おい!!今、『うん』って言ったよなっ!!!セレス様にどういう口のききかたしてんだょっ!!!」

「お前もな」と言いたかったが我慢した。
少しカチンときて、言い返そうと思ったが、僕より先にセレスお姉様が口を開く。

「だめですよ焔。このお方は、私たちの運命を握るお方なのですから。丁寧にもてなすようにと言ったはずですよ。」

「でっでもっ!!」と何か言いたげな焔だったが、セレスお姉様のどこかしら強い圧力に押され、「はい…申し訳ございません…」とうなだれた。
正直な気持ち…

(ざまぁみろ!!!)

と叫びたかったが、心に留めておくことにした。

「塔の中ではいろいろとあったようですね。お疲れでしょう、中に入ってお休みください。」

セレスお姉様はそう言うと、僕を家の中に案内した。

家の中はいたって普通だった。
少し広いだけで、キッチンはかまどだし、一般的な木製のテーブルだった。
例えていうなら、キャンプとかで使う、ロッジに近い雰囲気がある。

僕は、テーブルに案内され、椅子に腰をかける。なんだかキャンプに来ているかのようだった。
セレスお姉様も向かいに座る。焔はどうやら外で待っているようだ。

…ん?まてよ…
焔がいないという事は…









お姉様と…二人きり…!?
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