AAA〜トリプルA〜
□第五話:僕と焔とお姉様
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ごくりと唾液を飲み込んだ。
手だけでなく全身が震える。恐怖によるものではなく、緊張から来るものだった。
女の子と二人きりになったこともなければ、こうやって話をすることもなかった僕にとって、絶世の美女を向かいに二人きりのシチュエーションとは…
ハードルが高すぎるっ!!!
いやっ!まじで、下心とかやましい意味じゃなくて!!
朦朧としてきた意識に、セレスお姉様が気が付いたのか、香りの良い紅茶をカップに注いでくれた。
「どうぞ。お菓子もありますので。」
そう微笑まれて、ドキッと僕の胸が高鳴った。
「あっ…ありがとうございます!!」
そう言いカップを握る手はガクガクと震えていた。こぼさないように、と思えば思うほど震えは大きくなる。
そうなったら答えは唯一つ。こぼれる前に飲め!!だ!!
僕は、カップに入った紅茶を勢い良く口に注ぎ込み飲み込んだ。
「うふふっ。よっぽど喉が渇いていらしたのですね。」
「さぁ、遠慮せず」と空いた僕のカップに紅茶を注いでくれた。
もう、その微笑が女神にしか見えません。