ボカロどりーむ
□一緒に
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「あれ、レンは?」
「あー…、あっちの方にいますよ」
カイトが指差したほうには部屋の片隅に縮こまってるレンがいた
足を折りたたんで抱え込む、いわゆる体育座りの格好で外を向いて座っていた
元から口も悪く素っ気無いが「おかえり」は毎日言ってくれるのに
どうしたの?とメイコに目を配ると、行ってやりなさいよ、と返される
それはつまり私に原因があるのか
なんだろう、
私の作った曲が気に入らなかったのかな
もっとアップテンポとかバラード系が歌いたかったのかな
レンの意見聞いてあげるべきだったのかな
バナナはまだ少し余ってたはずだし
いろんな原因を探ると、どんどんネガティブゾーンに進んでゆく
どうしよう、マスター変えるなんて言い出したら
もう貧乏生活いやだとか言い出したら
うわああ、ネガティブゾーンが広がってく
レンに何言われても傷つかないよう決心してから
「レン、どうしたの?」
「…」
レンの隣にしゃがみこんで、あやすような声で聞いてみるが返事はない
レンはふい、と顔を背けてしまった
「ね、私が悪かったなら謝るから…おしえて?」
「……」
「ねえ、レン…」
なかなか口を開こうとしない
仕方ないのでいう気になってくれるまで待つことにする
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