ボカロどりーむ
□君といれば
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「はぁ…」
「どうしたんですか?ため息ばかりついて」
「んー…ちょっとね、ただの考え事」
そう言いながらまたため息ひとつ
さっきからずっとこの状態だ
もう何回目だろうか
あきらかに何か抱え込んでいる
何かあれば言ってくれればいいのに
マスターが困っているなら力になりたいと思う
それにやるせないマスターを見ているとこっちまで落ち込んでくる
カイトは元気付けようと、とりあえずがんばってみる
「マスター!アイス食べますか?」
「…いい。いらない」
1度こっちを見るがすぐに視線をそらされる
アイスを食べればみんな幸せになれると思うのに
「…あの、プリンなら冷蔵庫ですよ」
「プリンもいい」
「ろ、ロードローラーでも乗りますか?楽しいかもしれませんよ」
「そんな気分じゃないんだ…ごめん。お風呂いってくる」
バタン、という音と共に部屋を出て行った
ただの悩み事、それだけだ
カイトがすっごい気にかけてくれているのはわかるけど、少し1人でいたいときだってある
ごめんねカイト、と心のうちで手のひらを合わせた
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