ボカロどりーむ

□あまいあまい
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カイトは風呂上りのぽかぽかの身体でリビングに向かう

マスターはソファに座ってテレビを見ていた

今日はいつも見てるドラマの日だっけ


マスターはドアを開ける音に気付いたのか見るのを中断して声をかける



「湯加減どうだった?」

「ちょうどよかったです」



よかった、とマスターから笑みが零れた

俺も自然とほんわかした気分になる



カイトは冷蔵庫からアイスを取り出してきて、マスターの隣に座った

まだ少し濡れているカイトの髪からシャンプーの香りがふわり漂う


マスターが見ているから、という理由でカイトも同じテレビを見るようになった

気付くとそれはもうあたりまえの日常風景と化していた

俺はなんとなくそのテレビをアイスを食べながら見ている

CMに入るとマスターが気付いたように声をかけた



「あ、この前かった新しい味のだよね?」

「そうなんです!期間限定verなんですよ」

「へえ、おいしそうだね」

「食べますか?」

「え、いや、カイトのだしいいよ」


毎日カイトがアイスを幸せそうにアイスを食べてる姿を見ているからか、それをもらうのはなんだか申し訳ない気がした

アイスで生きているカイトからもらっていいのか

カイトのアイスを食べてる姿を見てるだけでいいのに



…私のお金なんだけどね







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