小説
□勧誘
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「銀時…一つ頼みたいことがある。」
「いやだ。」
万事屋に変なのが来たと思ったらどうやら案の定な展開になりそうだ。
今はソファに向き合って座っている。
「まだ何も言ってないだろう。報酬は弾むぞ?」
「そんなこと言ったってどうせテロ勧誘だろ?いくら金積まれたってやんねーよバーカ。」
「バカじゃない、桂だ。そして俺はテロリストでもなんでもない。国を憂いる攘夷志士だ。内容も違う。因みに報酬はスウィーツの名店スウィーツワンダフルの隠れ食べ放題特別招待券だ。」
ピラピラと紙を見せびらかすヅラ。いちいちスイーツをスウィーツと発音するのがウザい…。
そしてうまいこと操られること覚悟に俺は内容ぐらい聞いてやることにする。
「で…依頼内容は…?」
「おお、受けてくれる気になったか。内容はな…
夜明け」「待て
お前、テロ内容じゃないっつったよな?」
「最後まで人の話を聞かんか。」
ヅラは何やらぶつぶつ呟いた。せっかくの決心がどうのこうのとわけがわからない。
そして少し緊張した面持ちでもう一度口を開いた。
「夜明けを見に、海岸まで一緒に行ってくりぇっ…噛んだっ。」
…なんだか気持ち悪い依頼内容が聞こえたような気がするー…。銀さん知らないふりしちゃおっかなー…。
ヅラはソファから立ち上がると、俺の方に回って俺の隣に密着して座るやいなや、俺の両手を握った。
「ちょ、てめえキショイことすんじゃねえよ!」
「銀時…俺はこうしてお前に気持ちを伝えられる日を待っていた。
銀時…好きだ」
は?は?はァ?!
ホワッツハプン!
オエッ、きしょ!
え、何こいつ?
こんなキモい生命体初めて見た!
つかこいつホモだったの?!
通りで…。
「俺の嫁でも婿でもいいからとりあえず攘夷志士にならないか?」
「って結局攘夷志士勧誘かよ!」
(お、銀時が攘夷志士って言った!テロリストじゃなくて攘夷志士って!)
(マジでうぜェ)