小説
□女の子
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もう暗くなり、よっちゃんたちと別れたところだった。
「ねえ、お嬢ちゃん、こんなところで何をしているの?」
「お嬢ちゃん、肌が白くて綺麗だね〜。きっとすぐにナンバーワンになれるよ」
「どうだい?オジサンたちと来ないかい?」
昔だって、何度だってこんなことはあった。
夜兎は日の光に弱いために、必然的に肌の色は真っ白になる。
そのため、こういう怪しいオッサンに話しかけられるのは、何も以前住んでいたような場所でなくとも、よくあることだ。
そのたびに私ははたまた夜兎という族柄、力が強い戦闘種族なわけで…それを利用してもちろん、そのオッサンたちをボコボコにしてきた。
悪党を自分なりに成敗してきた。
でもどこか、これではいけないと感じていた。
そりゃあ自分の身は自分で守れるに越したことは無い。
それに強い女性、なんてのは近代求められているようだから大した問題では無いのかもしれない。
しかし、結局は暴力で捩じ伏せているこの現状でいいのだろうか?
それではただの、兄貴と同じようなモノだ。いくら違うと言っても、暴力という力を使う限り、私は変われない。
それより何より、
「うおりゃああ!!てめえら、何してんだぁあ!」
「ちょっとお?オジサンたち、うちの子にちょっかい出さないでくれる?」
「新八、銀ちゃん…」
「なんだよ、神楽。あんな奴らお前なら一捻り出来んだろ?」
「そうだよ?神楽ちゃん、僕らが来なかったらどうするつもりだったの」
「ごめんアル…だって…」
(女の子だもん)
「ああ?だってなんだよ」
銀ちゃんがいぶかしげに見る。
「ただアイツラをどうやって痛めつけるか考えてただけヨ!」
笑って返せば呆れたような顔をされた。
「神楽ちゃん、気をつけなよ?いくら強くたって神楽ちゃんは女の子なんだから。」
新八が本当に心配そうな顔をして言った。
なんで知ってるんだろう。私がわかって欲しいこと。
いくら強がったって、私は女の子。
たまには女の子してもいいでしょ?
「フンッ、私はそんな甘い女じゃないネ。これだから新八はいつまで経っても新八なんだヨ。」
「何だよー!新八の何が悪い!」
騒ぐ新八。耳を塞ぐ銀ちゃん。
また今度、女の子させて。
∵∴∵∴∵∴
神楽の梅雨の話から神楽がかわいくて仕方ない。女の子だなあ…。インディペンデンスディ万歳
20090203