小説
□あくまで妄想
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結局その後、近藤さんはみんなで袋叩きにして、その布団でぐるぐる巻きにして庭に投げ出した。
「新ちゃん、後であの布団棄てておいて。中身ごと。」
「はい…しかしどうしましょう…布団買わないといけないですね。」
ため息をついた。
「いいのよ、また今度あのゴリラに買わせるから。」
またって…以前にもあったんだ…。と気づく。
「すいやせーん」
いきなり外から人の声が聞こえた。
勝手にズカズカと庭に入ってきたのは沖田さんだった。
「あ、旦那もいたんですかィ?すいやせんが近藤さん、ここに来てやせんかね?」
沖田さんの問いに一斉にみんなで布団巻きになった近藤さんを見る。
それに気づいたらしい沖田さんはその布団巻きをそのまま引きずり歩き出した。
「あれ?総悟?」
ようやく意識を回復した近藤さんが現状を理解したらしい。
「ちょっと総悟!俺お妙さんの看病に来たの!まだいたいの!」
と駄々っ子のように叫ぶ。
「看病?姐さん病気なんですかィ?」
「あ、はい…。ただの風邪ですけど。」
と僕が答える。
せっかく答えたのに結局沖田さんはまたずりずりと近藤さんを引っ張っていく。
「メガネ」
「は、はい」
こっちを向かないまま進む沖田さん。
「姐さん大事にしろィ…」
それだけ残して去っていった。
普段の沖田さんを少しは知ってる僕と神楽ちゃんは不思議に思った。
しかしなぜか銀さんだけはそうでは無いようだった。
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