小説

□誉め言葉
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「銀さん、大丈夫ですか?」



目をあけると新八がいた。

「んあ?あー…。」


記憶をたどり、もしかして俺は倒れたのか、と気づいた。



「銀ちゃん目覚ましたアルか?!」

神楽も寝室に入ってきた。


「なあ、俺の買ってきた肉は…?」

なぜか異様に気になるので聞いた。


途端に新八と神楽の顔は固まる。


「あの、すいません、実は…」








食べてしまいました。








銀さん、3日も眠ってたんで…仕方なく。





神楽は笑って言った。


「銀ちゃんが優しい病気にかかってしまったから仕方ないネ!成長期の私たちが食べてやったヨ!」


途端急にムカムカとしてきたものが襲ってきた。



「てめえら…返せ!俺のパチンコ代!」



ベシッゴツッと制裁を与える。


ちなみにベシッは神楽でゴツッは新八。男なら耐えろ。


「だって銀さんが…」

「本当に優しい病だったアル…」

口々にいう二人。


「くっそ…久しぶりのお肉様だったのによお…。」



呟く俺に新八が立った。


「そうだ銀さん、ご飯持ってきます。」

なんだ?俺の機嫌でもとるつもりか?新八のくせに。



仕方なく俺もまだややダル気味の身体を起こして居間の椅子に腰かけた。



なぜか異様にニコニコする神楽に気持ち悪さを覚える。


「はい、銀さん。」



目の前に出されたのはお粥。


何の野菜かはわからないが野菜入りだ。


「食べてみてください。」


新八に言われるがままに口に運んだ。



「どうですか?」



「…うまい」

さすが新八の料理。

俺がそう言うとなぜか神楽がより一層機嫌よさそうになる。一体なんだ。



「実はそれ、神楽ちゃんが作ったんです。」


「え」


あの卵かけご飯やふりかけご飯やお茶漬けしか作れない神楽が?


「新八に教えてもらいながら作ったアル!」


ぴょんぴょん跳ねそうな元気な声で神楽が言った。








「神楽」


神楽は不思議そうにしながら俺の隣に座った。



「大きくなったな…」


頭をポンポンとたたく。
さっきのベシッとは違う。
ありがとうの感謝を込めてだ。



「銀ちゃんパピー以上にパピーっぽいネ!」


神楽が笑った。





(あれ?それって親父臭いってこと?)





ΞΞΞΞΞΞΞ
またちょっと不機嫌になる銀時と機嫌のいい神楽。そしてその状況をにこやかに眺める新八。

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