小説

□朝日が目に染みる
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「銀さん…どこ行くんですか。」

「え」


俺がいざパチンコへ行こうと朝っぱらから玄関で靴を履いていると、新八が幽霊のように背後に立っていた。


「おまえもう少し存在感出せよ。焦っただろーが。」

とりあえず誤魔化してみる。

「どこ行くんですか。」


新八はしつこく聞いてくる。


俺が黙っていると、新八は再び口を開いた。


「今月ピンチだってわかってますか?銀さん、もう白米しかないんですよ!」

新八は必死なようだ。

俺からすれば昔からたまにそういうことはあったし、たいして気にすることでも無い。無かったハズだ。


ところが今、いったい何がここまで俺の足を止めるのか。




部屋からまた、1つの声が増えた。どうやら神楽が起きたようだ。


「新八ー、朝ご飯まだアルかー?今日はちゃんと卵あるんだろうなー」



「はいはい!今日は姉上から貰ってきたからあるよー。」

新八は台所へ向かった。

「姉御最高アル!」

元気な神楽の声が聞こえる。









それでも俺は履きかけの靴を最後まで履いて、何も言わずに家を出た。





(仕事でも探してくっかなー。)



たまにはおまえらに旨いモン食わしてやりたい、なんて言ったら体調を心配されるだろうか。

しばらくはパチンコはお預け。



∵∴∵∴∵∴∵∴
二人のことを思うとちょっと経済的にパパになる銀さん。

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