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□おかえり 中編
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昨夜はもっともらしい事を言った。
いや、もっともな事なのだ、実際。
嘘などではない。
自分が守るとはいえ危険度は高くなるのだから、〇〇には文官として魔導院で仕事をしていてほしかった。
それ以外に、こちらへ来てほしくなかった理由は二つ。
「おたくが〇〇ちゃん?俺ビャクヤー」
「僕はカオン。よろしくね」
「あっちの金髪がユヒカちゃんな」
「よ、よろしくお願いします!〇〇・##NAME2##と申します」
ぺこりと一礼する〇〇の頬は上気している。
「やっと会えたねー」
「だな」
「お目見え出来て光栄です!い、いつもクラサメくんがお世話になっております。ご挨拶が遅れまして申し訳ありません。...お忙しいと、聞いておりましたので」
「〇〇。こっち」
また頭を下げる〇〇の手を引いて機材の説明をするためその場を離れようとするが。
「いいよ。僕がする」
やんわりと引き止めたカオンはいつも通りの微笑み。
...いつもの微笑みだ。
「しかし」
「いいっていいってそれより」
からかわれておいで。
「さ、いこっか〇〇ちゃん。ちょっと難しいけど頑張ってね」
「ハイ!ご指導よろしくお願いします!」
ごそごそとポーチから手帳とペンを取り出す。
「クラ子ー。お前はこっちだ」
ク、クラ子?
〇〇は耳を疑うように声元のビャクヤを見た後にクラサメを見た。
「〇〇、後で」
「う、うん」
扉の向こうにカオンと〇〇が消えた途端、クラサメは凄い剣幕でビャクヤを睨みつけた。
...だから嫌だったんだ。