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□Fight club 4
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クラサメがトレーニングルームに入ったときには、すでに他の三人は揃っていた。
「早いですね。珍しい」
いつもクラサメは一番か二番目。
なので全員が揃っている光景は珍しかった。
「何を読んでいるんですか?」
ユヒカを中心に、二人が周りから覗くように何か雑誌らしき物を読んでいる。
それすらも珍しい。
「診断だ」
鼻を鳴らして雑誌を閉じ、テーブルへ置く。
診断?
そんな物にこだわる人達だったか?
クラサメが訝しむように首を傾げると、カオンが補足した。
「有名なヒナチョコボの句、あるでしょ」
ヒナチョコボの句。
教本にも乗っている。
四大国を表した句だ。
「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ヒナチョコボ、ですか」
「そそ。それがウチの大将。朱雀タイプな」
のんびりと構え、鳴くまで待つというのがカリヤ院長らしいといえばらしい。
「鳴かぬなら 殺してしまおう、っていうのがシド大公だから白虎タイプ」
「あの御仁ならやりかねん」
鼻面にしわを寄せ腕を組むユヒカ。
本人を知っていそうなその口ぶりにクラサメは内心驚く。
まさか対面した事とかあるんだろうか。
「お前はどうだクラ子」
問い掛けられクラサメは思案するように口元に手を当てた。
自分だったら。どうだろう。