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 今日は私の誕生日。

 だから、あれやってこれやってってイロイロ命令して、ちょっと発散しようと思ってただけだったんだけど。


 なんでもイエス、と従うといえば。

 頭に浮かんだのは執事。


 そんな単純な考えから執事やってと言ってしまったがために大変な事になった。


 超後悔。

 
 なんだかよくわかんないけど悪ノリで黒執事を楽しみ始めたクラサメ。


 私は全然楽しくない。


 トキトに遭遇してから更に一層強くなった。


 恥ずかしい奴、と何度も思ったが、それでも食べたり買い物したり食べたり楽しかったのに。


 トキトに遭ってからクラサメは、ただ〇〇を照れさすだけの恥ずかしい奴になった。


 録音しておけば強請のネタになるとか思ったあれはまだまだ序の口だったらしい。

 
 今ではそんな事をしたら返り討ちに合うのは目に見えて想像できる。


 そういえば私が涙目になって怒ってたときにテンションを上げたイジメっ子なのだクラサメは。


 いつだったっけ。いつだったか。

 そんな事があった気がする。


「おとなしいですね」


 上から降ってきた言葉に〇〇は緩慢に顔を上げた。


「…おとなしくしてろって言ったの、クラサメでしょ」


 クラサメはちらりと〇〇に視線を落とし、再び前に向き直った。


「従順で大変結構」


 …お嬢様に対する執事の言葉かソレ。


 上から過ぎるその言葉に〇〇はため息をついた。


「しっかり掴まってて頂けますか。危ないので」


 クラサメがチョコボを得意としていないのは知っているが、それでも努力家。平均はクリアーしている。


 一人で乗るって言ったのに。


 投げやりな返事をした〇〇は、ばふっとチョコボの首筋にしがみついた。


 もうヤだ帰りたい。


 いや、帰りたくない…。


「引き返しますか?」

 
 呟きは漏れていたようで、クラサメが口角を上げながら問い掛けてくる。

 
 答えなんてわかっているくせに。


「いいからさっさと帰るわよ」


 例え、待っているのが膝詰めでの説教だとしても。




−−−−−−

チョコボで帰院なう。
 
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