雲。
□ひばつな
1ページ/3ページ
ひばつな 「梅雨」
「あぁ〜…。今日から梅雨らしいですね…。」
「そうだね。綱吉は梅雨嫌いなの?」
「はい…。雨が降ると外で遊べないし…雲雀さんは梅雨好きなんですか?」
綱吉はそう言いながら窓の外を見る。外では止まる事無く雨が降っていた。
そしてその雨は静かな応接室の窓を叩きつけていた。
「仕事終わったよ。じゃあ、帰ろうか。今の質問は後で答えるよ。」
「お疲れ様です!!」
2人は応接室から出て、靴箱へと向かった。靴を履き替えて外に出た時、綱吉が叫んだ。
「どうしようっ!!」
「どうしたの?綱吉?」
「俺の傘が無いんですっ!!」
「…!!今度、綱吉の傘を取ったやつは殺しておくよ。じゃあ、今日は僕の傘に入って行きなよ。」
雲雀がそう言って自分の傘を差した。
「いいんですか…?」
「うん。ほら、帰るよ。」
「はいっ!!」
「…綱吉さぁ、さっき僕に質問したでしょ?」
「…何でしたっけ?」
綱吉はきょとんとして首を傾げた。その姿に雲雀はため息をつく。
「全く君は…『雨が好き?』って聞いてきたでしょ。」
「あぁー!そういえば!!」
「僕はね、雨は好きだよ。こうして綱吉と相々傘をして帰れるしね。」
「雲雀さん…!!////…でも今考えてみると、俺も雨、好きかもしれませんっ」
こうして2人は楽しい会話をたくさんして仲良く相々傘をして帰って行った。
―――また明日も、明後日も雨が降るといいな…。―――
ー終ー
次n→ ひばつな 「夏休み」