雲。

□ひばつな
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  ひばつな 「梅雨」

「あぁ〜…。今日から梅雨らしいですね…。」

「そうだね。綱吉は梅雨嫌いなの?」

「はい…。雨が降ると外で遊べないし…雲雀さんは梅雨好きなんですか?」

綱吉はそう言いながら窓の外を見る。外では止まる事無く雨が降っていた。
そしてその雨は静かな応接室の窓を叩きつけていた。

「仕事終わったよ。じゃあ、帰ろうか。今の質問は後で答えるよ。」

「お疲れ様です!!」

2人は応接室から出て、靴箱へと向かった。靴を履き替えて外に出た時、綱吉が叫んだ。

「どうしようっ!!」

「どうしたの?綱吉?」

「俺の傘が無いんですっ!!」

「…!!今度、綱吉の傘を取ったやつは殺しておくよ。じゃあ、今日は僕の傘に入って行きなよ。」

雲雀がそう言って自分の傘を差した。

「いいんですか…?」

「うん。ほら、帰るよ。」

「はいっ!!」

「…綱吉さぁ、さっき僕に質問したでしょ?」

「…何でしたっけ?」

綱吉はきょとんとして首を傾げた。その姿に雲雀はため息をつく。

「全く君は…『雨が好き?』って聞いてきたでしょ。」

「あぁー!そういえば!!」

「僕はね、雨は好きだよ。こうして綱吉と相々傘をして帰れるしね。」

「雲雀さん…!!////…でも今考えてみると、俺も雨、好きかもしれませんっ」

こうして2人は楽しい会話をたくさんして仲良く相々傘をして帰って行った。


  ―――また明日も、明後日も雨が降るといいな…。―――

                          ー終ー


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