Treasure

□A late bloomer's love
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「そんなに怒る事ねえだろ?少し話し込んでただけで。」

「…話し込んだ事に怒ってんじゃねぇ、密着しすぎだって言ってんです!!」

「あん?あれぐらい普通のスキンシップだろうが。」

ぶちっ

「話すだけでなんで肩に手を回す必要があんだよ…!!」

「か、神田君…おち、落ち着いて…!」

「お前は黙ってろ!!つーかなんて恰好してんだお前!!!」

「ひっ…あ、あの、これはクロス元帥にアドバイスしてもらって、それで…」

「色気たっぷりでいいじゃねーか。」

「ふ…ふざけんなコラァッ!!!」

……本当なら今頃、疲れて眠る神田君の寝顔を見つめながら彼のサラサラの髪を撫でているはずだったのに。
睨み合う(下手をすれば殴り合いになりそうな勢いだった)神田君とクロス元帥にオロオロしながら、私はふとそんな事を思った。

どうしてこんな事になったのかしら……。



A late bloomer's love



〈…後一時間程で教団に着く。〉

無線ゴーレムから、彼の声が聞こえたのは私が自室を出る15分前の事だった。
神田君が任務に行って2週間。
久しぶりに会えるんだと嬉しくなった私は、うきうきしながらエントランスへと向かっていた。



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