Treasure
□A late bloomer's love
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「おっミランダ!いいところに来たじゃねえか!」
談話室の前を通りかかると、いきなり扉が開いて中からクロス元帥が出てきた。
元帥は私を見るなり笑みを浮かべ、私の腕を掴んで中へと戻ろうとする。腕を掴まれた私は転けそうになりながら、談話室の中へと引っ張り込まれた。
「あ、あのクロス元帥…?わ、私に何か用事でしょうか…?」
いきなりの事に驚いた私は、恐る恐る元帥に問いかける。
でも元帥は何も答えず、私を引っ張ったまま備え付けのソファまで歩くとそのままそこへどかりと座った。
元帥が座ったソファの前には、さまざまなお酒が並べられていて。
私は思わずきょとんとした。
「げ、元帥…?ああ、あの、これは…?」
「ん?見りゃわかんだろ。酒だ。」
そういう意味で聞いた訳じゃないんですけど…。
私の問いかけにあっさりと答えて、元帥は自分の隣をポンポンと叩く。
「いいから座れよ。ほら、これ持て。」
半ば強引に私を座らせて、元帥はグラスを差し出してきた。
こ、これってお酒に付き合えって事かしら…で、でもまだ明るいのに…?はっ!そ、それに私、神田君の出迎えに行かなくちゃ…!
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