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□10.ナミロビ
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「ねえ、ナミちゃん」

「なに?ロビン」

「・・・重い」

「最近、やせたはずなんだけどな」

「そういう意味じゃなくて」

「うん?」

「どうしてこういう体勢になってるの?」

「いまからシようとしているからよ」

「ここで?」

「ここで」

「ここ、どこだか分かってる?」

「図書室」

「・・・分かってるなら、なんで。誰か来るかもしれないのよ?」

「わたしはいっそ見られたい、なんてね」

「また、そんなことばっかり言って・・・」

「本気よ?」

「冗談キツイわ」

「そう。そのロビンの困った顔、好き」

「ナミちゃん、ゆがんでる。感性が」

「ほら、もっとイヤがってよ」

「・・・」

「ため息つかないでよ。まったくノリが悪いわね」

「なんていうか、あきれてものもいえないわ」

「こういうの興奮しない?誰か入ってくるかもしれない状況で、こんな体勢で・・・
 誤解されてもしかたなくて、まあ誤解じゃないんだけどね」

「変態・・・」

「・・・なんていうか、二人のことを隠してることにもう疲れた」

「え・・・」

「なんてね。ごめん。・・・わたし、どうかしてたわ」

「ナミちゃん?」

「うん。ロビンの事を考えずにこんなことして悪かったわ」

「そんな・・・」

「忘れて?いまのなし。聞かなかったことにして」

「・・・待って」

「え?」

「いいわ」

「は?」

「ここでシて。ナミちゃん」

「ろ、ロビン?」

「私は、大丈夫だから」

「・・・」

「別に誰に知られても大丈夫。ナミちゃんとのコト。変な目で見られたって気にしないわ。
 ・・・ああ、この船のメンバーが変な目で見るという事はないかもしれないけど。
 でも、人は心で何を思っているか分からないし。というかナミちゃんの事を好きなコもいるだろうし。
 傷付く人もいるかもしれない。傷付けるつもりがなくても。人には知らない方がいいこともあるわけだし。
 誰かを傷つけたくない。それ以上にナミちゃんを変な目にさらしたくない。だから・・・
 ごめんなさい。わたし、何を言いたいのか分からなくなっちゃったわ。でも、そういうことだから。
 ・・・ただ、ここでするのは、恥ずかしいからできれば・・・部屋へ・・・」

「ごめん、ごめんね。ロビン」

「ナミちゃん・・・ちょっと、苦しい」

「わたし、何も考えてなくて・・・ロビンはいろいろと考えてたのに・・・なのに、わたしは自分の事しか考えてなくて。みんなにロビンはわたしのものって言いたくて・・・取られないようにって」

「泣かなくてもいいのに・・・これが本当の涙の雨ね。上から降ってくる」

「わたし、本当に考えなしだったわ。ロビンにわがままばっかり言って、振り回して・・・ひどいことしようとしてた」

「ひどいこと?それはあっちの話のことかしら?」

「あはは・・・バカね。違うわよ」

「部屋へ行く?」

「わたしが言おうと思ってたのに」

「手」

「ん?」

「手を掴んで、起こして?」

「うん、ほら。行こう」



・・・あとがき。
サニー号の船内を、手と手を恋人つなぎで歩いたのは、これが初めてだといいと思いますwww
セリフのみというヒドイありさまですが、スランプというコトで許して。

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