clap ss

□2.ナミロビ
1ページ/1ページ


蜜柑の木の陰で、キスしているところを、チョッパーに見られた。

「・・・おまえら、何やってんだ?」

下から、見上げてくる、つぶらな瞳。
びっくりして慌てる私を制して、ロビンが涼しい顔をして、説明しだす。

「これは、唾液の交換よ」

・・・何いってんの、ロビン。
固まってる私をよそに、ロビンの説明は続く。
口元に微笑みを浮かべながら、楽しそうに話している。

「DNAをお互いに交換して、それを体に保存するのよ。
 ・・・知らないの?」

「知らねぇ。トナカイはそんなことしない。
 人間はするのか?」

「そうね。人間でも一部の人しかしないのよ。
 全員するわけではないわ。お医者様なら知っておかなくちゃ。
 ほら、たとえば公園でよく見かける・・・」

ロビンの怪しげな説明は続いている。
チョッパーは「へぇー」とか「そうなのか?」とか「ロビンはいろんなことを知ってるな」とか感心しきりだ。

詐欺師・・・
稀代の詐欺師だわ。
子供にウソ教えちゃだめでしょ、ロビン。
教育上、よくないわ。
ていうかチョッパー、信じすぎ。
キス、知らなかったっけ。それとも女同士だったから?
あんた医者じゃないの?
こんな医学的根拠のない、荒唐無稽な話を信じちゃだめでしょ。

痛むこめかみを指でおさえつつ、二人に目を向けると、ちょうど、話がまとまったところだった。

「そういうわけだったの」

「わかった。説明ありがとうな、ロビン」

「でも、これは内緒にしててね」

しぃー、っと指を一本唇にあてるしぐさをする。

釘さしてるし。
ぬかりないわね。

「うん。おれ、いわない。以前、ナミとビビがソレしてた時も口止めされたし。ちゃんと言わなかったぞ!な、ナミ!」

自信満々言い切った。

・・・このタヌキ。じゃなかったトナカイめ。

隣から絶対零度の視線が刺さる。
そっと顔色をうかがうと、微笑みを顔にはりつけたまま・・・
瞳がわらっていない。


「そうなの?ナミちゃん」

「そ、そうだっけ?あはは・・・」


力なく笑うしかなかった。



・・・


あとがき。

チョッパーを二人と絡ませるのって、やっぱりエロ以外になるのよね・・・
自然と話が短くなって、拍手用にしました。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ