ナミロビ

□ロビン←ナミ
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どうしていいのかわからなくなった。
その澄んだきれいな瞳を見た瞬間から。


「どうしようか」


意見を聞いてみることにした。
きっと相手が答えを出してくれるはず、と無責任にそう思って、聞いてみた。
横たわっていたその人は、白い身体ごと、ゆっくりとこちらを向いて。
かすかに、微笑った。



・・・



酔っていたのよ、みんな。
そう言い訳を、心の中で唱える。
でなければ、こんなこと。
非常識。
ありえない。
あってはいけない。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
考える。
ただ、天井を見つめて。



・・・



見てはいけないものを、見たかった。
好奇心は猫を殺す。
自分に向けた言葉。



しなければよかった、こんなこと。
見なければよかった、なんてすでに後悔してる自分。



なにをしたのか、と問われれば、それは。
マンネリ化した関係に刺激を求めるカップルの、悪ふざけ。
公開セックス。
私とサンジくん、ゾロとロビン。2組。
私達がしてるのを、ロビン達が見て。
ロビン達がしてるのを、私達が見た。
酔いを理由に持ちかけた、悪い冗談を事実にしてしまっただけの事。






・・・本当は。違う。
私は、ただ、見たかった。
ロビンのアノ時の顔、イク時の顔、シテイルトコロ。
その、きれいな裸身を。




そんなこと、絶対言えないけれど。





瞳を閉じると浮かぶ、揺れる白い腰。
シーツに散らばる、黒い髪。
いつも冷静な顔が、とても淫らになる瞬間。
上気して、汗ばんだ肌を晒して。


最中。


ふ、とこちらを見つめて微笑んだ瞳に・・・


囚われた


瞳を、見なければよかった。
全部分かってるわ、と言われた気がしたから。





・・・




「ロビン」


呼んでみる。


「どうしようか」


もう一度、言ってみた。
なにを、どうしようというのだろう。
なかったことにするのか。
それとも。
・・・それとも?
今、私は何を思った?
いまなら、まだ、ひきかえせる。
いまなら、まだ。



幼いようなつたない言葉を、心の中で繰り返す。
朝日射す直前の深い闇に包まれている、この漆黒の空間。
日が射す前が、一番、闇が深い。



闇のよく似合う、きれいな黒髪・・・。



そんな事を思って。
その黒髪のひと房に手を伸ばしたら、その手を、すくうように掴まれた。

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