ナミロビ

□ゾロビン・サンロビ・ナミロビ
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きっかけは、ゾロのひどい嫌味からで。
ふと、手をとられ、まじまじと観察された。

「オマエの手は、本当にやわらかいな。
 この手で、過去の男どもをたぶらかしてきたんだろ?」

なんて、言うものだから、つい。
私も、純情ぶる気もなかったので。

「それじゃ・・・、ためしてみる?」

つるり、と口から出た言葉。
そして、ふっと、淫蕩に微笑んでみせる。
悪い冗談。
きっと、呆れた顔か、苦虫をかみつぶした顔をされると思いきや。
にやり、と笑われた。

「それじゃ、遠慮なく」

今日は丁度、見張番。そこで待ってる、など言われた。
あなたは、私の事を嫌いではなかったの?
まあ、こういうコトは、好き嫌い抜きでも出来るコトではあるし。

「いいわよ。夜に、ね」

本当に、この男の考えている事は、わからない。
・・・そう考えても、流れで、そうなったのだからと割り切って。


結局、悪い冗談の続きをすることにした。

・・・そう、手よね。

よく、昔から、男たちに褒められた。
きれいな手とか、美しいとかそういった意味でなく。
ああいった方向の意味で、賛美されてきた。
やわらかさ、しなやかさが、ソレに向いていたのか。
不器用な方ではないし、それも関係して。
戦闘以外で、よく求められてきた、手。


男って、本当にそういうの、好きよね・・・。


そして、冗談半分で、ハナの手を3本行かせた。
もっと多い方が良かったかしら、とか思いつつ。
本体は、呼ばれてないわよね、と言い訳しつつ。



ゾロが出した後、「助かったぜ」とか言って。
心の中で、「お役に立てて光栄」とか言ってみたり。

ただひとつ。ちょっと気になることが。
ハナの手を、消す直前に、ハナの手を取られて、甲にキスされた事。
悪い、いたずらね。


・・・


それから、しばらくして。
サンジから、呼び出された。

「ロビンちゃん・・・」

一言そういって。目線を宙へとうろうろさせた。
ぱち、と目が合うと、情欲が見てとれた。
すぐ伏せられる瞳が、雄弁に語っていた。

ああ、そう、何か聞いたのね。
察して、助け舟を出してあげる。

「・・・してほしいの?」

ぱっと、赤くなる顔をサンジは、タバコの煙で隠した。
・・・あ、ちょっとかわいいわ。
サンジにしてみたら、失礼な事を思いつつ、微笑みで少し無口な彼を許してあげた。

「いいのかな?」

言葉少なに、ちょっと顔色をうかがうように聞いてくるサンジに

「だって、してほしいのでしょう?」

だから、私を呼び出したのでしょう。いまさらなにを。
乙女のように、恥ずかしがるサンジが初々しい。
今さらながら、自分がいろいろなものを捨ててきたのだ、という事を思い知らされる。


じゃあ夜、と約束して。
サンジにも、ゾロと同じように、してあげた。

サンジは、出した後、「ごめん、ロビンちゃん」と何度も繰り返した。
心の中で、「そんなに謝らなくてもいいのに」とか思って。

それから。
手にかかったものを、きれいに舌で舐め取られた。
自分の、なのに。布で、ふいてくれてもよかったのに。

腕の内側を、舐められた時、ぞくりとした。



・・・



ルフィは寂しそうな瞳で見つめてくるようになった。
ごめんなさい、あなたの思うような女でなくて。

ウソップは、たまに目が合うと、見つめ返してきたりする。それだけ。
知っているけど、言わない優しさ。
フランキーとブルックとチョッパーは、変わらない。
チョッパーは知らないのだろう。
フランキーとブルックは知っていて、大人な対応をしているのだろう。


そういう感じのメンバーの中、私以外の唯一の女の子であるナミちゃんは。

「ロビン」

そう笑顔で呼んで、私のすべてを自由にする。
いろいろ、全部。

ナミちゃんは私の所有権を主張してくるけど。
その所有権の幅は広いみたい。
全部私のもの、なんて言わない。
そういうコトも含めて、しょうがないわねって許してくれる。
諸処の事に流される、私の性格をわかってくれていて、助かる。


そんなナミちゃんだから、好き。

だから・・・全部欲しくなったら言ってね。
善処します。

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