シキ×アキラ

□アキラ ON ベッド
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その後、すぐに医者を呼びつけアキラを診させると案の定…

「風邪…ですな」
「その割には元気にしていたが…?」

シキは先ほどまで自分の上で腰を振っていたアキラの淫らな顔を思い出し、今ベッドで寝込んでいるアキラの顔と比べてみた。
誘うような半開きな口は相変わらずだが、眉間にシワを寄せて苦しそうにしている様子は、達する瞬間の顔とは明らかに種類が違う。

「普段風邪などお召しにならないのでしょう?なら体の異変に気付かないのも無理ありません」

『熱い』というのは熱があったからだったのだ。
いつもと様子が違うのには気付いたが、まさか熱を出すような状態だったとは…。

「風邪は、うつります。貴方様もアキラ様が完全に快方するまで近づかないほうがよろしいでしょう」

シキはまさか自分が…と思ったが、同じニコルの血を持つアキラでさえ風邪にかかるのだ。
アキラのように長い間臥せるわけにもいかない立場のシキは、医者の提案を大人しく受け入れることにした。



もともとシキ以外は立ち入り禁止のこの部屋に、医者と身の回りの世話をする使用人だけを部屋に入れることにし、様子を見るときもけして扉は開けようとはしなかった。

そのためか一日目にしてアキラはシキが会いにこない事に癇癪を起こし、使用人に物を投げつけ怪我をさせた。

二日目になると大分落ち着いたのか、大人しく医者の診察を受けベッドに寝ているようだったが、逆に体を持余して使用人を誘惑するようになった。
もちろん使用人もシキの制裁が怖いのでアキラの誘いには乗らないが、逐次アキラの様子を報告することになっていたのでその事もシキの耳に届いていた。

三日目になっても中々熱は下がらず、シキはその間ずっとアキラに会うことはなく、そのせいでアキラはついに食事を取らなくなってしまった。

「俺がいないと食事もできんのか、あの馬鹿は」
「病んでいるときは、精神的にも弱くなりますからな。貴方様に会えないことが不安なのでしょう」

シキは眉間に手を当て長いため息を着くと、イスに深く腰掛けた。
体力もそうあるわけではないアキラだ。暴れまくった上に食事も摂らないとなると、熱が下がるどころではない。

「まぁ、食事を取らないのであれば点滴もありますのでご心配はいりません」

医者の言葉に「しかたないな」とだけ呟き、その日もシキはアキラに会うことなく一日を終えた。
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