ヘレンはBLを書いてみた
□ディノ×ヒバ求愛大作戦
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「恭弥!!!」
「なあ恭弥〜ッ!」
「恭〜弥〜♪」
「きょ....ぉや!?」
「きょ...や!?あっぶね!!!」
「恭弥....」
「よお恭弥ッ♪」
「きょ〜おや〜☆」
毎日毎日手を変え品を変え,雲雀に尽くすディーノ。
でも...
「.....何」
「昼飯食いに行かね?」
返事はいつも何度も同じ
「....行かない」
「(しょぼん.....)」
ディーノ,振り向いてもらえるのか!?
ディノ×ヒバ求愛大作戦
「恭弥〜〜〜ッ!!!」
階段を駆け上がり,(約20回はこけた)ディーノは屋上へと繋がるドアを押した。
ギ.....
「ん゙!?」
ところがドアは微妙に金属音を鳴らすだけで,どっかりとしたままディーノの前を退いてくれない。
「どーなってんだ!?鍵か恭弥!!!開けてくれよ!!!」
「違うよ。僕は鍵なんかかける気もないしかかってもいないよ。」
腹立たしいドアの向こうで愛しい恭弥の声がする。
あぁ...これが開けば愛しい恭弥の笑顔が見れるんだ....(今開いても絶対不機嫌だと思うんだけど...)
「どーしたら開くんだ!?」
どれだけノブを回して金属の壁を押しても,ギギギとなるだけのままだ。
「このーーーーッ!!!」
八つ当たりにドアをつま先で思いっきり蹴る。が,
「いっでーーーーー!!!」
と足を押えてうずくまる始末。(痛いに決まってるだろ)
「....ホントに馬鹿だね。そろそろ種明かししようか。」
むこうで恭弥がくすっと笑っているような声がする。
今開けドア!!!今なら恭弥の笑顔が.....あぁ...
「いくよ。」
「って!ま...まさかトンファーでドアを割ったりしないよな!?」
ドアの反対側でオロオロ行ったり来たりするディーノ。いくよ,と言った恭弥がトンファー持って構えてるとでも思ったのだろうか。
ガチャッ......
「あ.....れ.....?」
シニカルに笑いながら,何事も無かったかのようにドアを「押して」ディーノがいた側に進む恭弥。
「あなたが,ドアを「引けば」良かったんだよ。」
―――二人の間に沈黙が走る。
そう。ディーノは階段を上がり,自分側にドアを開ければよかったのだ。
いつまでもきょとんとしているディーノに,
「修行,始めよう」
とトンファーをディーノの顎に当て,挑発する。
「お....おう。」
ぽりぽりと頭を掻きながら,屋上へ入ってゆく恭弥を見つめる。
「(なんとかしてアイツより賢くならなきゃ,アイツの心は落とせないな.....)」
しみじみ実感したディーノだった。