企画もの
□ケーキ
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まず、情報として、ナナリーとロロは兄妹。
ナナリーは目も見えるし、歩けます。
では、お暇な方は見てください。
「兄さん/お兄様、お誕生日おめでとう/ございます」
一足先に、ナナリーとロロが部屋に入ったと思えば、
俺が入ったとたんにクラッカーの音。
「あ、ありがとう。」
今日は確かに俺の誕生日で、さっきまで生徒会室でパーティをして、
その場には二人とも居たのだから、勝手に今日は良い一日だったと思ったのは
違かったようだった。
こっちです。
と、ナナリーに手を引かれ、椅子に座る。
それから、二人はキッチンの方へ向かった。
一人になった俺は、辺りを見回してみる。
部屋には、きちんとパーティの飾り付けがされてあった。
二人は、1つの大きな皿と、紅茶セットを持ってきた。
「あの、お兄様、先ほどのと違って、あまりおいしくはないのですが……」
「僕たちも兄さんのために何かしたくて、咲世子に手伝ってもらいながら、作ったんだ。」
皿の上に乗っていたのは、お世辞にもきれいとは言い難いケーキがあった。
白い下地の上に大きく、そして小さな文字で
誕生日おめでとう
の文字があった。
文字から推測するに、漢字の部分がロロだと思われる。
「いただきます。」
ホールのまま、少しフォークをさして食べてみる。
それは、少し焦げくさかったけれど、
「おいしいよ、二人とも。ありがとう。」
二人が一生懸命作ったケーキは、
今日食べた中で一番おいしかった。
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