BLACK

□サヨナラ
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寒かった冬も終わり、暖かい風が吹き始めた今日このごろ。


「あとべっ!久しぶり〜!」

「よっ、相変わらずだな」

「お前、遅ぇぞ」


「悪い悪い。
急に仕事が入っちまってよ」


元、氷帝学園テニス部の同期4人が久しぶりに集まった。


芥川慈郎、向日岳人、宍戸亮…
そして俺、跡部景吾。


現在俺達は、25歳。

皆で汗水流して頑張っていた
中学3年の頃から、
もう10年が経とうしている。


そして

「もう10年だねぇ」

「だなー。」

「そっか。
あいつが居なくなって
そんな経つっけ…」


「侑士、元気かな…」


忘れちゃいけない もう一人の仲間、忍足侑士が

俺達の前から居なくなったのも
10年前の今日のことだ。



「元気なんじゃねーの?
な、跡部?」



「さあな」




忍足侑士…。


俺達はこの名前を、一度たりとも忘れたことはない。



「………忍足…か…。
懐かしい名前聞いちまったぜ」



俺は、そう呟きながら
ふっと微笑み、空を見上げた。


「ほんと、懐かしいね。
……出来るなら、も一度
おしたりに逢いたいな」


「…オレも」


「俺もだ。」


すると、他の奴らも
俺と同じように
青い空を見上げて
軽く笑みを零す。




「早いもんだな…。」




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