椿の華

□第四訓
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なんやら、あたしたちは見廻りを兼ねて、勝手に隊士たちが白髪に対しての貼り紙を回収することに。


「なんですって?斬る!?」
「ああ、斬る」


土方さんは電柱に貼っていた紙を乱暴に破りとった。


「件の白髪の侍ですかィ」

「真選組の面子ってのもあるが
あれ以来隊士どもが近藤さんの敵とるって殺気だってる
でけー事になる前に俺で始末する」



ぐしゃぐしゃと紙を丸め、総悟の持っている山盛りに詰められている、バケツにつめた。
でも白髪ってあの人もだよね。


「土方さんは二言目には『斬る』で困りまさァ」

「古来、暗殺で大事を成した人はいませんよ?」

「暗殺じゃねェ
堂々と行って斬ってくる」

「そこまでせんでも、適当に白髪頭の侍見繕って
連れ帰りゃ隊士達も納得しますぜ」

「これなんてどーすか?」
「ホラ、ちゃんと木刀もちな」


そこには、いかにもホームレスのおっさんで白髪。


「ジーさん
その木刀でそいつらの頭かち割ってくれ」



サラリと告げる、土方さん。

総悟とあたしは構わずに続けた。


「パッと見、さえないですが眼鏡とったらホラ」

「「武蔵じゃん」」

「何その無駄なカッコよさ!!」


うん、何気カッコいいよね。
目と眉が超凛々しい。


あたしと総悟は武蔵(仮)に手を振りわかれた。



「マジで殺る気ですかィ?
白髪って情報しかこっちには、ないっていうのに」

「近藤さん、負かすからにはタダ者じゃねェ
見ればすぐわかるさ」

「…わかるものかな…」


そう簡単にはなんねェだろ。
でもほんとーにタダ者じゃなかったら、オーラだよね。


「おーい、兄ちゃん危ないよ」


上からやる気のない声がした。



あぁ、土方さん危険。
木材が空から降ってきた。このまま、土方コノヤローに落ちてくればいいのに。
 
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