椿の華
□第八訓
1ページ/5ページ
「いいか、祭りの当日は真選組総出で将軍の護衛につくことになる
将軍にかすり傷一つでもつこうものなら、俺達全員の首が飛ぶぜ!
そのへん心してかかれ
間違いなく攘夷派の浪士どもも動く、とにかくキナくせー野郎を見つけたら迷わず、ブった斬れ
俺が責任をとる」
まじかぁ。
「マジですかィ土方さん…
俺ァどーにも鼻が利かねーんで、侍見つけたらかたっぱしから叩ききりますァ
頼みますぜ」
「オーイ、みんなさっき言ったことはナシの方向で」
第八訓
事件は悪い奴が起こすんじゃないはしゃぎすぎた奴が起こすんだ
「それからコイツはまだ未確認の情報なんだが
江戸にとんでもねェ野郎が来てるって情報があんだ」
「とんでもねー奴?」
「誰ですか?」
「桂の野郎は最近おとなしくしてる
以前料亭で会談をしていた幕吏十数人が、皆殺しにされた事件があったろう
あらぁ、奴の仕業よ
攘夷浪士の中でも最も過激で最も危険な男…
高杉晋助のな」