椿の華

□第四訓
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朝の会議。


いつもより、騒がしい。
鼓膜破る気かコノヤロー。
なんで朝っぱらからこんな元気なんだよ…。頭がガンガンするよ。


副長オオオオ!!

「局長が女にフラれたうえ」

「女を賭けた決闘で
汚い手使われ負けたってホントかァァ!!」

「女にフラれるのはいつものことだが」

「喧嘩で負けたって信じられねーよ!!」

「銀髪の侍ってのは、何者なんだよ!!」

「土方くたばれー!!」



隊士たちが一斉に土方さんに言い寄る。
よっ、人気者。

















第四訓
喧嘩はグーでやるべし





















「会議中にやかましーんだよ
椿、斬られてェか?」

「いやに決まってんだろ」

「んなら、黙ってろ
あの近藤さんが負けるわけねーだろが
誰だ、くだらねェ噂たれ流してんのは」


土方さんは冷静に答えた。んだよ、クール装ってんじゃねーぞゴラァ。
キャラつくってんじゃねーぞゴラァ。


「沖田隊長が」

「スピーカーでふれ回ってたぜ!!」


一斉に、茶をすすっている総悟を指差した。
のんきなヤツめ。


「俺は土方さんにききやした」


ニタァと黒い笑みを浮かべる。
でたよ、サド。このドS野郎。


「コイツにしゃべった俺がバカだった…」

「なんだよ
結局アンタが火種じゃねェか!!」

「偉そうな顔してふざけんじゃないわよ!!」

「一変、崖から落ちてくれやァァ!」

「って事は何?
マジなのあの噂!?」


土方さんは痺れを切らしたのか


うるせェェェぁぁ!!


机を蹴飛ばした。
いっつも怒気を抑えないや。

てか、


「あ゙ァ!あたしのお茶が!!」


土方さんのせいでお茶がひっくり返った…。
あぁぁ……。

悔しくて、ギロって睨んでも全く動じず、寧ろスルーした。余計にムカつく!!


「会議中に私語した奴ァ
切腹だ
椿、てめえは崖から落ちろ」


いやです。
じゃなくて本気ですか。
ゆっくりと鞘から刀を抜いてるよ、この人。


「俺が介錯してやる、山崎…お前からだ」

「え゙え゙え゙!?俺…何もしゃべってな…」

「しゃべってんだろーが
現在進行形で」


一旦周りが静まる。

山崎、ドンマイ。

あぁ…お茶がぁ……。


「ウィース
おお、いつになく白熱した会議だな」


襖を開けた人物は



「よ〜〜し
じゃあみんな
今日も元気に市中見廻りにいこうか」


痛々しく頬を腫れ上がらした、我等が局長が立っていた。



「ん?どーしたの?」


タイミングが悪いのを気付かず、土方さんはため息をもらした。

一番の苦労人だよね。

 
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