椿の華
□第三訓
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「とうとう尻尾出しやがった…山崎、何としても奴らの拠点おさえてこい」
「はいよっ」
男はタバコを吸いながら、指名手配書を見ていた。
「天人との戦で活躍したかつての英雄も、天人様様の今の世の中じゃただの反乱分子か」
「土方さん、便所行ってきていいですか?」
少女はさきいかをもさもさと食べながら言った、この場の空気も読まずに。
土方と呼ばれた男は少女を見もせずに答えた。
「別に構わん、それで一生帰ってくんな」
少女はつまらなそうに、土方を睨みつけた。
だが土方は一方に少女を見ず、黙々と話を続けた。
「この御時世に天人追い払おうなんざ、たいした夢想家だよ」
第三訓
お前らテロなんてやってる暇があるならペロの散歩にでも行ってきな
土方は指名手配書を丸め、
「オイ 沖田起きろ」
沖田と呼ばれた少年に投げつけた。
「お前、よくあの爆音の中、寝てられるな」
「爆音って…またテロ防げなかったんですかィ?
何やってんだィ。土方さん、真面目に働けよ」
「そうだよ、働けアホ」
「2人して眠るかコラ」
何を思ったのか、土方は刀を抜いた。
「天人の館がいくらフッ飛ぼうがしったこっちゃねェよ。連中泳がして、雁首そろったところをまとめて叩き斬ってやる…
真選組の晴れ舞台だぜ、
楽しい喧嘩になりそうだ」