Novel
□匂宮兄弟の零崎捜査
2ページ/11ページ
拝啓 武留
一週間前に編入した氷帝学園で、バッドタイミングが重なりに重なって、僕はなんでかテニス部のマネージャーになってしまいました。
探し人は見つからずだし、部長は潤さんみたいだし、頗る苛立ってます。
僕の胃に穴が開く前に、早く潤さんの仕事を終わらせてきて下さい。
敬具 大和
追伸
もう少し漢字を使ってください。
1.「無言は肯定と解釈するぜ?」
「匂宮、テニス部に入れ」
「嫌です。放課後には用事があります」
「それはなんだ」
「何故先輩に話す必要があるんですか?」
「じゃあさっ、用事のない日でいいからやらない?」
「鳳先輩、僕に用事の無い日なんてありません」
「跡部も無理強いするなよっ!匂宮もさ、放課後に残れない理由を話してくれればこいつも諦めるから」
「………」
なんでこんなことに…あぁ、僕はどこで間違えたのでしょうか。
生まれたこと?それはその、不可抗力だ。
じゃあ潤さんの依頼を受けたこと?世界最強のあの人の依頼を、どうやって断れっていうんだよ。
じゃあやっぱり、あの時油断していた僕のせいですか…あぁ、胃が痛い。