小説 参
□朧月夜に舞う蝶は 7
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「―――…ですよね、節舟センセ?」
「――ッ‥な、何を?!」
ニッコリ微笑むカカシの顔が、Dr.北歳の間近へとズイと迫ると、北歳医師のこめかみに不自然な汗が
ジワリ――と、滲み出た。
「どんだけ香を焚こうが、何の皮を被っていようが、アンタの香りは、他のどの人間とも違う――って、
以前そう言いませんでしたっけ?節舟センセ。ぁ、ココでは一応『北歳先生』と、呼んでおきましょうか。」
「音や、砂隠れの往診Dr.の時は『Dr.塔存』だとよ。」
玄関ドアを使わず、小さな煙幕と共にノッソリと現れたアスマが、苦虫を噛み潰した様な表情で立っていた。
「あらら‥アスマ?どーしたの?こんなトコに来ちゃって?」
「ちっ‥シカマルの奴、俺をアゴで使いやがって。」
「へぇ〜…。そっか、シカマルはああ見えて意外に下手なのねぇ。」
「ハ?」
意味不明とばかりに首を傾げるアスマを他所に、カカシは、節舟の方へ視線を戻す。