小説 参

□朧月夜に舞う蝶は 2
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それから9年経った今


まるで時が戻った様に、息子が禁区『北地』の言葉を吐いている。


時代は繰り返されると言うが

あの九尾の事も、北地の住人の事も、また巡り長い時を超えて 再生されるのだろうか。


息子を通じ、その『禁じられた土地』へと消える者の事を
暴き、知りたい、あの時のままの俺が居る。  だが―――


「ったく‥夢は寝て見るモンだろーがよ、シカマル?なぁ、母さん。」

「そうよ、シカマル。変な事言ってないで、早く寝なさい。」

「チェッ‥んじゃ、おやすみぃ‥‥。」


息子の背中越しに振り仰いだ窓の向こうには、細長い三日月が ゆっくりと流れて来る雲に、覆われ始めていた。


まるで


あの夜 暗闇の中だというのに、恥じらいながら その美しい肌を隠していた、彼女の様に‥‥
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