シャーマンキングの部屋 小説
□責任
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『惚れた弱み』
そんなものは俺には今までなかった。
勿論、これからだってそんなものできないと思っていた。
「蓮〜」
「・・・・今、良い所なのだ。邪魔するな」
ここはパッチ村の宿のある1部屋。
チームごとに分かれて部屋に泊まっているため、この部屋には基本的に、俺とホロホロとチョコラブの3人。
先程修行が終わり、帰ってきたばかり。
帰ってきてすぐに俺達3人は風呂に入り、汗を流した。
その後、俺とホロホロは部屋へと戻った。
が、チョコラブは腹が減ったから食堂で何か食べてくるといい、食堂へ向かって行ったのだ。
そのため、この部屋にいるのは俺とホロホロの2人だけ。
「れぇ〜〜ん〜!」
「うるさい。邪魔をするなといったはずだ」
俺は読書中。今がちょうどいいところだというのに、話しかけられると集中力がちる。
「蓮!!」
「なっ!?」
バッとホロホロに勢いよく本を取られた。
(ただでさえ邪魔をされて腹立っているというのに本を取り上げるとは良い度胸だな・・・)
これは完全に俺の邪魔をしたということになる。
「返せ」
「やだね」
胸に本を抱えたままホロホロはしいてあった布団に飛び込む。
「なんのつもりだ・・・」
怒りを抑えきれない俺はホロホロの元に歩み寄り睨む。
「んな顔すんなって!ってか、そんな顔も可愛い・・・けど///」
最後の方はとてつもなく小さな声だったが、至近距離にいた俺にはしっかり聞こえた。
俺はフルフルと震わせていた拳をホロホロの頬に喰らわせる。
「〜〜〜〜〜っ!!!!」
余程痛かったらしく、頬をおさえてうずくまるホロホロ。
「な、なんだよ!?なんで殴んだよ!?」
「馬鹿か!自分で考えろ!頭をひねらなくとも簡単にわかるだろうが!!///」
「わかんねえから聞いてんじゃんかよ!!」
「すっとぼけるつもりか!!//」
「違うっての!」
「もういい!本を返せ!」
やけくそ気味な俺はとりあえず話を区切り、本を返すように左手をホロホロの目の前に突き出す。