D.Gray-man連載夢

紅葉色〜弐
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紅葉色〜弐




『…コムイ…さん…?』


私は、あの記憶のことをしっかり心で受け止め、起き上がった。


コムイさんは、私の言葉でやっと気づいた様子だった。



ていうか私…記憶よみがえってから、やたら性格が変わったような…


「あ、紅葉君、目が覚めたかい?…もう、大丈夫?」


あ…心配してくれた…。
私はうれしくなった。

ワケは知らないけど…


コムイさんは私にホットココアを渡してくれた。


ゴク…

……

『おいしい!』



「…リナリーが入れてくれたんだ。ココアもおいしいけど珈琲も上出来でおいしいよ。」


私はリナリーの方を見た。
笑ってる。

無理にしているようにも見える…

でも、一応こんなおいしい物を入れてくれたんだし…


『…リナリーちゃん、ありがと…』

ちょっと微笑した。


「ううん、こっちこそ、おいしいって……ありがとう。」



そして、私はコムイさんとリナリーちゃんに、その記憶のことを言った。


「……」


「………うん…全てを思い出してくれたんだね。」



…ん?
え、なんか変な感じ。
コムイさんが私のことを全て知ってるみたい。


『…私のこと…知ってたんですか?』


「…うん、知ってたよ。紅葉君の母さんと父さんはサポーターってことは、知ってるよね。」


私はこく、と頷いた。
そう、私の母と父は協力者=サポーター。だから、教団のことも少しは知っていた。

…記憶を思い出してからだが…


『…で、私もサポーターに…なれ、と、ですか…?』

私はおそるおそる聞いた。
あの記憶…
…事故…

思い出すと、今でも頭が痛くなる。


私の母と父は……
死んだ。


最初はあまり受け入れられなかったけど、よく考えたら、


当たり前

と思った。

サポーターは死ぬ運命。
エクソシストを守って死ぬ。
いつも、母と父に言われてた。



だから、私は教団が嫌いだったんだ。
アクマを倒す、教団。
だけど、私は…
本当のアクマは、教団とずっと思ってた。
教団が私の家族を奪う…。
と思ってたのに。


『………』



いきなり泣いた。
母と父を思い出して。
だけど悔しい。

教団って…みんな…優しい…から。

コムイさんとリナリーちゃんに会って、わかった。




……わかったんだ。


「紅葉君…」


コムイさんは、悲しい顔をした。リナリーちゃんも…


「…紅葉ちゃん、まず…みんなに会ってみる?ずっとここにいても退屈だろうし。みんなに会いに行こう!ね!!?」

リナリーちゃん…
私を励ましてくれてる…

無理して…

うれしい。

私はなんで、こんな優しい人達のことが嫌いだったの?

確かに母と父を奪ったから、だけど……


「…紅葉ちゃん行こう!」

ぐいっ

『わっ!…』

え!?
まだ、心の準備が…

『…ちょっ、…』


バタン



 ̄ ̄ ̄ ̄

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