きまぐれに大集合!!

□オープニング
1ページ/1ページ













1月1日、元旦。
新しい年を迎えた有名人達は、一年に最も忙しいと言われている期間に突入していた。
そして、新年早々お正月スペシャルとして「やっぱきまぐれロック」に此処数年で各ジャンルで注目を浴びている有名人を招待して生放送!というスペシャル企画が開催されようとしていた。
そしてその企画に招待されたゲスト達は・・・。

「きゃーっ、モー子さん!モー子さんと一緒に『きまぐれ』のゲストとして参加出来るなんてしあわせー♡」

タレント、京子。 

「も――っ、あんたは!いくら久しぶりだからって、会った早々しがみつかないで!」

女優、琴南奏江。

「そんな冷たい事言わないで〜。」
「キョー、俺とちおも居るんだけど?」

タレント兼モデル、京香。

「勿論、二人も一緒で嬉しいに決まってるじゃない!でも、モー子さんと逢うのは本当に久しぶりなのよ!?今喜ばないでいつ喜ぶの!?」
「そ・・・そうね;」

舞台女優、天宮千織。

「確かに俺とは毎日顔を合わせてるし、ちおとは昨日会ったばっかだしな。」
「そこ!同意しない!」

そう言う奏江は淡い紫色の藤の花の柄の振り袖を着ている。
そして何時も降ろしている髪はアップにされ、サイドを垂らした状態に。
その所為か何時も以上に大人びて見える。
千織は浅葱色の牡丹の柄の振り袖を着て、髪は降ろした状態に。
この二人は一般的な振り袖姿である。
そしてキョーカは黒の薔薇と十字架の柄の振り袖を着ており、襟に袖に帯にはレースがついている。
髪型も揚羽系でゴスパンク系のようだ。
更にキョーコは赤い蝶の振り袖を着て、キョーカと同じ様に襟に袖に帯にレースがついている。
その頭には豪華なティアラが乗っており、ゴスロリチックだ。
流石に今回はラブミーカラーとロゴは無い。
いくら何でも振り袖にラブミー部のロゴは無いだろうという「とある人物」の助言のお陰だ。

「ずいぶんと楽しそうだね?」

俳優兼モデル、敦賀蓮。
女子と違って、その出で立ちは和服ではなくスーツだ。

「敦賀さん!」
「その衣装似合ってるよ。演技勝負の時とはまた違って新鮮だしね。」
「そうですか?有り難うございます。」
「やっぱりラブミー部カラーとロゴ入りだとちょっとあれだったから、止めておいて正解だったんじゃない?」
「そうですよね!いくら何でも和服にラブミー部のロゴはないですよね!」

いわずもなが彼こそが、「とある人物」である。
好きな子の晴れ姿を見たいが為にラブミー部衣装を却下した張本人。
その事実に気づいているのは、彼の思われ人であるキョーコ以外の全員である。

そんな5人のやりとりを目の保養とばかり、微笑ましげに眺めるブリッジロックの面々と某番組のスタッフ達。
そこへ、

「いやーっ、何で?何であんたが居るのよ〜!?」

アイドル、七倉美森。
勿論彼女も振り袖である。
淡いピンク色の桜の柄の振り袖を着ている。
そして和服を着てもなお、彼女の大きな胸は強調されている。

「あれー?美森ちゃん、お久し振りー。」

のほほんと答えるキョーコ。
美森とは同じ学校で同じ芸能クラスのキョーコだが、今や売れっ子新人女優としての道を着々と進んでいるので中々学校に行けない為、顔を合わせるのは本当に久しぶりである。

そして・・・・・


ふ―――っ・・・。

「あーっ!あんたはっ!?」

いきなり首元に息を吹きかけられて叫んだ拍子に振り向く。

「・・・久しぶりだな、キョーコ。」

バンドクループ、Vie Ghoul (VG) のボーカル、レイノ。

・・・・それまでの和やかな空気が一変して、 ただならぬ緊迫した空気がスタジオを包む。
戦いの火蓋が、今しも切って落とされようとしていた・・・。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ