復活小説
□今生と過去の曲がり角
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この体が朽ち果てても思いは残り、君を想う。
幾度巡れば、君と出逢うことが出来るのだろうか?
草原、その中に見える日本家屋。二人の少年は、着物を着て佇んでいた。
「何?これを僕に?」
一輪の花を少年に手渡した。
「ええ。似合いますよ。」
「ふん、ありふれた花だけどね。貰っておくよ。」
言葉とは裏腹の染まる頬。
「可愛いですねぇ〜♪」
「…君、馬鹿?」
他愛のない会話。睦まじい二人。
それだけで充分だった。
いくつも年が巡り、二人は大人になった。
「あのですね、僕のことずっと覚えていてくれますか?」
いつかの草原に、二人は向かい合っていた。
「何言ってんの?何処か行っちゃうなんて許さないんだから。」
袖を掴み、必死で訴えている様子が可愛らしい。それに、悲しみの混じった苦笑で答える。
「いえ、今すぐって訳じゃないですよ。ただ、ずっと一緒なんて事は――」
「嫌だ。ずっと一緒にいようよ。ね?」
目に涙を浮かべ囁くように言った。
「はいはい。全く敵いませんね。」
けれどその後、彼はいなくなった。
残された方は悲しく、やりきれない。
「なんでっ…今すぐじゃないって言ってたじゃないかっ…馬鹿ぁっ!」
涙が頬を伝う。それ程までに、彼の存在は大切だった。
そこに、一匹の鳥が降りてくる。
「……?何、慰めようとしているの?――そう、だね。僕はずっと覚えているから。また逢うために。」
ふっと、彼は鳥に微笑んだ。
登校中、並盛中最強の風紀委員こと雲雀が出会ったのは、風変わりな髪型をした黒曜中生徒、骸だった。
「何してんの?」
不機嫌な表情を露骨に表す。
「いえ、ちょっと雲雀君の顔を見に♪」
「寄らないでよ、変態。君のせいで変な夢を見た。」
「夢?」
骸は嬉しそうだ。
「着物を着ている僕と君。――楽しそうだった。」
雲雀は切なそうに、最後の言葉を呟いた。
骸は、何か思い出したようだ。
「…前世って信じます?」
「君の言うところの六道輪廻のこと?生憎、興味ないね。」
「そうですか…。ああそうだ、ここに来る途中摘んで来たんですよ。どうぞ。」
「…花を貰うなんて、女じゃないし。まぁ、貰っておくよ。」
「クフフフ♪」
骸は、雲雀の頬が少し赤らんだのを見逃さなかった。
この体が朽ち果てて想いしか残らなくても、
また生まれて、君と出逢えるだろうか?
逢うことが叶うのなら、
君を強く抱きしめていよう。
それまで――巡り、渡るだけだ。
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