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□ジューンブライド
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「うーん…」
「いったいどうしたの?クリス」
トレミーの談話室。クリスティナが何やら唸っているようである。
そこへスメラギがやってきた。
「あっ、スメラギさん。もうすぐ6月でしょ?それでジューンブライドってあるじゃないですか。だから誰がウエディングドレス似合うかなーって」
「そうねぇ…フェルトは案外ミニスカとか似合うかもしれないわね」
腕を組み、スメラギは考える。
「あっそうじゃなくて、マイスターの4人の方ですよ!」
一瞬、スメラギの動きが止まるがクリスティナは気付かない。それでもスメラギは律義に返答する。
「…ドレス似合うかな?うーん、ロックオンやアレルヤはどうかと思うけど刹那やティエリアは似合いそうね」
思ったまま口に出す。
「でしょ!ロックオンとアレルヤにはタキシードでも着せて、刹那とティエリアにはドレス!それで4人並ばせたいと思いません!?」
「いいわね…ソレ。」
さすがのスメラギも食いついてくる。
「刹那にはこんなドレスとか!」
そこへクリスティナは結婚雑誌を取り出し、あるページを指した。
「あら、水色のミニね!頭に付ける花飾りも可愛いじゃない!」
「ティエリアにはコレッ!」
次に、別のページをすぐさま開き見せる。
「へえ!ロングドレス!薄紫にチャイナっぽくって似合いそう!」
「刹那の子供っぽい可愛さに、ティエリアの清楚な美しさ!サイコーだと思いませんか!スメラギさん!!」
二人のテンションはかなり上がっていた。
「よしっ!王留美に取り寄せてもらいましょう!」
そんなとき、談話室に二人の影が入ってきた。
「…スメラギ・李・ノリエガ、クリスティナ・シエラ。何をしている」
「…ドレス…?」
ティエリアは言葉に怒気を含み、刹那の頭にはクエスチョンマークが浮いている。
「あー…ティエリアに刹那…。どこから聞いてたの?」
恐る恐るクリスティナはティエリアに問い掛ける。
「ジューンブライドがなんとかという所から」
ぶっきらぼうにティエリアは返す。
「最初から…」
「ねえ、着てみない?絶対似合うと思うと…」
「誰が着るか!大概にしろ!」
「俺に女物の服を着る趣味は無い」
さすがに否定されると諦めざるをえない。
「うー。仕方ないわ。諦めます」
「ざんねーん」
「全く…」
がっくりとしながらもスメラギとクリスティナはまだぶつぶつと言って談話室を去った。
ティエリアと刹那はその後ろを見送った。


その後、アレルヤとロックオンがいる部屋へ刹那は訪れた。
そして先程の事の顛末を語った。
「なんだそれ!俺は刹那のドレス姿見たかったのに!」
ロックオンはテーブルをばしんと叩き、刹那へ詰め寄る。
「だから、俺にそんな趣味は…」控えめに否定する刹那。
「いーやっ!刹那は絶対似合う!俺が保証する!」
「……そう」
しかしロックオンに似合うと言われ、頬を赤らめる。
「ねえ、刹那。本当にそんなこと言ってたの?」
「ああ。」
アレルヤが刹那に再確認する。
「うーん。僕も見たかったなあ。ティエリアのドレス姿。」
「……後ろから撃たれるぞ。」
唸るアレルヤに刹那は若干引きながら注意する。
「まずはミス・スメラギに相談だな!」
「そうだね!ロックオン!」
妄想を膨らませるロックオンとアレルヤは異様な盛り上がりを見せていた。







後書き
妄想の固まりでした…


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