ギアス小説

□ロロデレラ
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昔々、あるところに意地悪な継母と娘と息子がいました。
娘は継母に気に入られているのですが、息子は継母にこき使われていました。
『おい、ロロ!まだここが汚いぞ!』
『ごめんなさい。ルルーシュ』
『お母様と呼べ!これから城の舞踏会に行くんだから!』
今日はお城の舞踏会です。しかしロロは留守番のようです。
『お母様!早く行きましょ!ねぇってば』
『お母様、ロロなんてほっときましょ。早くお城へ行かないと』
『ああ、分かっている。神楽耶、カレン。――お前はぼろ雑巾になるまでこき使ってやるからな』
そして三人はロロを置いてお城へ行ってしまいました。
一人残ったロロは溜息をつきます。
『はあ…ひどいや。僕も舞踏会に行きたいなあ…』
『なら、その願い、叶えようか?』
そこに現れた魔女。
『えっ!いいんですか?!』
『もちろんだとも。私はC.C.。お前にその覚悟があるならば』
C.C.と名乗った魔女はロロに綺麗なドレスと馬車を与えました。
『馬はこれでよかろう。』
C.C.は近くにいた猫を馬に変えます。
『アーサー!……うわあ…!すごい!ありがとうC.C.!』
『ふん。魔法は12時には消えてしまうからそれまでに帰ってこい』
そうしてロロは馬車に乗ってお城へ行きました。




お城では王子が退屈そうにしています。
『あっれ〜?スザク君、楽しそうじゃないねぇ〜?』
『ロイドさん。…楽しい訳無いでしょう。好きでも無い人と踊るなんて』
『ふぅ〜ん…』
そんな中、ルルーシュがスザクに踊りを申し込みました。
『スザク王子、自分と踊って頂けないでしょうか?』
『誰が貴様と踊るか。ゼロの分際で』
『なっ!』
スザクはルルーシュを一蹴しました。かなりルルーシュは嫌われているようです。
そんなルルーシュは悲嘆に暮れながらどこかへ去って行ってしまいました。
その光景を見ていたロロはいい気味だと思いました。そして、自分も王子に踊りを申し込もうとしました。
けれども別に王子に寄って行く人がいました。
『スーザークッ!俺と踊ろ!』
『ジノじゃないか!…けど結構だよ』
『でも退屈なんだろ?んじゃあ俺が連れ出してやる!』
『うわっ…!』
そうしてジノはスザクを抱え込み、お城から連れ出してしまいました。
その場にいたすべての人がポカンとしています。
『なんか、当て馬にされた気分…』
仕方ないのでホールの隅にいたルルーシュの所へ申し込みにに行きました。
『ルルーシュ、僕と踊ろ?僕、ルルーシュと踊りたくて来たんだ』
『お前…ロロか?…あぁ、構わない』
心無しかルルーシュは嬉しそうに見えます。
『…どちらもドレスだな』
『いいんじゃない?そんなこと』
二人は仲良く踊っているようです。
そのうちに12時に近づいてきました。
このままではロロのドレスは消え、みすぼらしい服に戻ってしまいます。
『あの、ルルーシュ。僕、もう行かなくちゃ』
『えっ!』
ロロはホールを飛び出し、一目散に階段を下りていきます。
『こんなボロボロの格好になったら、またこき使われる。あーあ、ずっとだったらいいのに』
そうぼやいてロロは家へ戻っていきました。
一方、ルルーシュは呆然としています。
『しかし…なんだ。ロロが可愛いかったな…』
初めてルルーシュはロロの可愛いさに気付いたのでした。
『そうだな…今までロロに厳しすぎたな。…ッロロ!』
ルルーシュもロロの後を追いかけました。

家に着くと、ロロが掃除をしている最中でした。
『ルルーシュ!…舞踏会は?』
ルルーシュは照れ臭そうにそっぽを向いて言います。
『その…今まで悪かったな。城でのお前…可愛いかった』
ロロはびっくりして口があんぐりと開いています。
『だから…その…こき使って悪かった。これから気をつけるよ』
『ルルーシュッ!』
ロロはルルーシュに抱き着きます。
どうやらルルーシュはロロに心を許したようです。
『ルルーシュ…僕、嬉しい』
『すまなかったな』
ルルーシュの肩でロロの表情は、どこか悪どいことを考えているようでした。

――これでルルーシュは僕の虜。今度はルルーシュをぼろ雑巾のように使おっかな…――
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