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□ハム誕生日小話
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「おい!今日は何の日か知っているだろうな?」
「…勿論知っているさ。君の誕生日だろう?」
高校生の下校風景。話しているのはグラハムとカタギリである。
「では、何かくれないのか?」
「仕方ないなあ…」
仕方ないと言いつつも、きちんと用意してある辺りがさすが幼なじみといった所か。
中がまる見えな、買ったそのままのビニール袋に入っている物を見て、グラハムは目を輝かせた。
「ガンプラじゃないか!カタギリ、君はよく分かっている!」
「アハハ…」
分かるも何も、昔からグラハムの欲しがるものはガンプラと決まっている。
「しかし、君も高校生なんだからそろそろガンプラなんていう子供っぽい物は卒業したらどうだい?」
「よし!家に帰ったら、真っ先にこれを作るぞ!」
全く聞いちゃいない。
そんなグラハムに溜息をつきつつも、まあいいかと思ってしまうカタギリだった。
そのまま歩いていると幼稚園の前を通る。すると視線が突き刺さるのが感じられた。
振り返れば、幼稚園の柵の向こう側に4〜5才くらいの男の子がこちらをじっと見ていた。
「…何か用かな?おちびさん!」
「ちょ…もうちょっと他に言い方は無いのかい?」
黒髪のくせっ毛をゆらゆらとさせながら、園児はグラハムの持っているガンプラの箱を指差す。
「これか?」
近くに行って見せる。柵越しだから、隙間から手を出している状態だ。
「ほら、やっぱりガンダムは子供向けなんだから…」
ちょうどアニメもやっているし、この年齢の子供が興味を持っていても仕方ないな、とカタギリは思う。
「……貸して」
初めて園児が声をだす出す。グラハムは柵越しならば大丈夫だろうと、園児にガンプラの箱を持たせた。
園児は興味津々で、パッケージを眺めたり振ってみたりとしていた。ふっと園児はグラハムを見る。
「何かね?」
グラハムが尋ねると、ブンッと箱を下へ投げ付ける。
「っ!」
「ほう!」
幸い、軽く箱がへこんだだけだった。
「ちょっと君!人の物はそんな風に―――」
「宣戦布告かな!おちびさん!よかろう!その心意気、しかと受け取った!」
グラハムは園児の前で見下ろしつつ言う。グラハム節が全開だ。
「グラハム!子供相手にダメだよ!」
カタギリが止めようとしても、聞く耳を持たない。
「まずは理由を聞こうか」
「………1/1スケールがいい」
ボソッと呟く園児。その言葉に二人は目を丸くする。
「あっはっは!よく言った、おちびさん!君はよいガンダムになれる!」
「ガンダム…になれるのか?」
「勿論だとも!」
そんなとき、騒がしい声を聞き付けて来たのか、先生がやってきた。
「ちょっと貴方達?何をしているの」
「すみません、ちょっと通り掛かったものでして」
眼鏡をかけた女性の先生は眉間にシワを寄せて怪訝そうな目付きで二人の高校生を見る。
「とにかく、園児に悪い影響を与えないようにしていただきたいですね」
そう言って、先生は園児の手を引き園内へ入って行ってしまった。
「また会おう!ガンダムのおちびさん!」
まだ園児が見えるうちに、グラハムは声をかける。園児も小さく手を振りかえす。
満足そうにカタギリに向き直ると、カタギリはいつものように呆れていた。
「君はいつもいつもおかしなことをするんだから…」
「いいじゃないか!」
開き直り、スタスタと進んで行ってしまう。
「ちょっと!速いって!」
カタギリには何のことかいまいち理解出来なかったが、グラハムは心なしか楽しそうだった。
そうして、二人は帰り道を歩いて行った。




「カタギリ。今日は何の日か分かっているだろうな」
あるテレビ局の一室。グラハムが話し掛けているのはパソコンでカタカタと打ち込んでいるカタギリだ。
「勿論分かっているさ。今年もガンプラだろう?そこの袋に入っているから取っていけばいい」
グラハムを振り返ることもせず、パソコンに向かいながらカタギリは言った。
「まあ、そうなんだが…」
「他に何かあるのかい?」
腕を組みつつ、悩むようなそぶりをしてグラハムは言う。
「私の誕生日を祝して、何か食事をおごれ」
思わず笑ってしまう。
「そんなこと言わないで、素直に『食事に行かないか』とでも言えばいいのに」
「そんなつもりではない」
はいはい、と立ち上がってカタギリはグラハムを見る。
「まあ、ちょうどよく一段落着いたしね。行こうか」
二人は支度をし、部屋を出て夜の街へ出る。
「しかし、あれだな」
「なんだい?」
唐突なグラハムの言葉。
「ガンプラを見ていたら、刹那に会いたくなったな」
「明日にでも行ってくればいいさ」
グラハムらしい発言にクスリと笑ってしまうカタギリ。
隣ではしゃいでいる幼なじみを見て、今年も誕生日を祝うことが出来てよかったなと思ってしまうカタギリなのだった。









【後書き】
はいはいー
ここは何のジャンルを扱ってんだろうね(笑)
まとまりないぜー。ぐだぐだだぜー。
ビリグラでグラ刹かな。結局。
あの園児は勿論刹那。眼鏡の先生は一応シーリンさん。
とりあえずは、
ハム!おめでとう!
いや、ハム先生おめでとう!(笑)
二期も迷言をよろしく頼むよ!





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