花の天使T
□〜土方〜9
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なんだか無性に腹が立った。
前から山崎が妙に機嫌が良い事には気づいていた。
それは俺が大江戸ストアへマヨネーズを買い出しに行かせてからだという事も、なんとなく気づいていたが敢えて知らないフリをしていた。
なのに総悟の野郎がカマかけるような真似しやがるから俺は一気に、また訳のわからねェモヤモヤに支配されて我慢出来なくなった。
野郎またサボりやがって。
しかし俺が向かっているというのにも関わらず全く気づかずミントンしてやがるなんて、どんだけ夢中なんだコイツは。
こんな野郎がウチの密偵なんて今更ながら不安になる。
「山崎ィィィ!!」
「ハイ! 副長!」
傍で突然俺が怒鳴ったせいか、いつもより更に顔を引きつらせて山崎が振り向いた。
「色恋にうつつぬかすのも結構だが、仕事は気ィ抜くんじゃねェぞ」
「え!? 色恋!?」
「大江戸ストアに惚れてる女がいるんだろ」
「――エエッ!?」
真っ赤になった山崎が、また癪に障る。
*