花の天使T
□〜沖田〜8
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最近、山崎のヤローは買い出しの日やけに機嫌が良い。
今日なんて帰ってきてから気色悪ィくらいだ。
これは何かあると俺は脅して吐かせてやった。
なんでも大江戸ストアにイイ娘がいるとか。
山崎の気に入る女が、どんなか興味あって俺は見に行ってみた。
店内を見回して、それらしい女に声をかける。
「アンタが弥生さんですかィ」
知らねー男にいきなり名前を呼ばれて、その女は驚いて俺を見た。
「はい、そうですけど……」
弥生を上から下まで見定める。
華奢で顔は小さく、目鼻立ちの整った綺麗な女だった。
山崎のくせに目が高ェのがムカつく。
しかし、こんな女が江戸に居たら俺が目を付けねーはずねーのに最近こっちに来たのか?
「あの、あなたは真選組の?」
「副長の沖田総悟でさァ」
「? 副長って、お二人なんですか? 土方さんも言ってましたが」
「あーアイツは元でさァ。いずれ俺が殺るからねィ」
嗜虐的に俺が笑むと弥生はポカンとした。
「……そうなんですか。何か、あたしに御用が?」
「これといっちゃないんですがねィ。アンタ彼氏いるんですかィ?」
俺の問いに、うろたえる弥生。
「いませんけど」
「へーそいつァ勿体ねェ。じゃー俺が立候補しまさァ」
「エエッ!?」
真っ赤になった弥生に俺は笑っちまった。
すれてねー女だ。これから面白くなりそーだぜィ。
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